エムレ・ヒュネル(1977年イスタンブール生まれ)は、科学、戦争、テクノロジー、建築などの歴史を踏まえ、危うさをはらんだ文明社会、その延長線上にある未来について問いかける作品を制作します。
その壮大なテーマは、作品タイトルにも表れており、例えば初期の代表作《パノプティコン》(2005年)は、ミシェル・フーコーが管理統制された社会システムの比喩として用いた言葉に由来します。謎の生命体の社会を描いたこのアニメーション作品を通して、ヒュネルは秘教、歴史、権力社会や人間と自然の関係性について言及しています。また、「途方もなく非現実的な」という意の《キゾティック》(2011年)は、アマゾン奥地にかつて実在したゴム・プランテーションの町「フォードランディア」を主題に、人間の無謀な夢と試みが詩的に表現されたインスタレーション作品です。
本展では、「制御不可能な巨大な力」を意味するタイトルの《ジャガーノート》(2009年)、素描シリーズ《ブラック・シップス・エイト・ザ・スカイ》(2009年)に加え、新作の彫刻《トリロン》を含むインスタレーションを発表。万国博覧会や自動車産業といった近代化の象徴や航空学、戦闘機などを主題に科学やテクノロジーがいかに戦争と共に進歩し、人間性が失われてきたかが提示されます。本展を通じて、人間と文明の進むべき方向性について一緒に考えてみませんか?
主催: | 森美術館 |
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企画: | 椿 玲子(森美術館アソシエイト・キュレーター) |
会場: | 森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 |
開館時間: | 10:00-22:00 (火曜日のみ17:00まで) |
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※12月の金曜日(6日、13日、20日、27日)は10:00-24:00 ※入館は閉館の30分前まで ※会期中無休 |
入館料: (税込) |
一般:1,500円 学生(高校生・大学生):1,000円 子供(4歳−中学生):500円 ※森美術館「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために」と共通、展望台 東京シティビューへの入館料を含みます(スカイデッキ除く)。 |
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お問い合わせ: TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
展覧会カタログ
「MAMプロジェクト019:エムレ・ヒュネル」のカタログ(PDF版)はこちらからご覧いただけます。
*:参考図版