2016年12月19日(月)

総合ディレクター南條史生と巡る
「KENPOKU ART 2016」MAMCメンバーの旅

秋晴れの10月29日(土)・30日(日)に、森美術館メンバーシップ・プログラム MAMCのイベントとして、南條史生森美術館館長の解説のもと「KENPOKU ART 2016 MAMCツアー」を開催しました。
KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」(会期:2016年9月17日(土)-11月20日(日))は、今年初めて茨城県の北部6市町の地域で開催された芸術祭です。南條が総合ディレクターを務め、約100作品が、海側と山側にわかれて展示されています。
1日ではとても回りきれないので、MAMCでも1泊2日のツアーとなりました。
ツアーの様子をフォトレポート形式にてお届けします。

[1日目(海側)]

■茨城県天心記念五浦美術館
現在森美術館で開催中の「宇宙と芸術展」でも大人気のチームラボの作品を鑑賞。MAMCナイトのトークイベントでも猪子寿之さんよりご紹介いただいた新作を含む8点が展示されています。


チームラボ《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》


館内には、岡倉天心記念室もあります。

■「六角堂」「天心邸の庭」
次に訪れた場所は「六角堂」と「天心邸の庭」。
岡倉天心が東京を離れ、横山大観や下村観山らと暮らした場所です。
この頃、岡倉天心はボストン美術館の中国・日本美術部部長を務めていたことから、当時この五浦からボストンまで通っていたそうです。


虎ノ門ヒルズにも作品が展示されている、ジャン・ワンの《Artificial Rock No.109》。


六角堂の中にある須田悦弘の《雑草》。

■「高戸海岸」
イリヤ&エミリア・カバコフの《落ちてきた空》。
作品と晴れた空との対比がとても印象的でした。


メンバー全員で記念撮影。


ニティパク・サムセン《テトラパッド》

■「穂積家住宅」
茨城県指定有形文化財(建造物)を使用した展示会場です。


上野雄次《天を仰ぎ 地に立つ 者として》。これは生花ではなく、3Dプリンターで出力されたものです。


茨城県在住の作家、伊藤公象の《pearl blueの壁 ―空へ・ソラから―》。


作品とともに、とても素敵な古民家とお庭。まるでアート作品の一部の様です。

■「ラジコンポート」
「ラジコンポート」は、ラジコン愛好家の活動場所だそうです。地図にも載っていない場所に作品を展示することをどのように思い付いたのでしょうか。ちなみに、「ラジコンポート」はウェブのマップ検索で場所が特定できるようになりました。


作品まではススキの道を少し歩きます。


作品を近くまで観にいくメンバー。とても広い原っぱです。


水平がきちんと測られているピーター・フェルメーシュの《Untitled(kenpoku)》。

■「御岩神社」
パワースポットとして知られている御岩神社。境内にある三本杉は、樹齢500年の県指定の天然記念物です。ここには2つの作品が展示されています。


見る角度によって、色々な見え方をする森山茜の《杜の蜃気楼》。


神社の天井に描かれた岡村美紀の《御岩山雲竜図》。龍が手に持つ珠には、地球が描かれているそうです。

■「日立シビックセンター」
日立駅前に位置する日立シビックセンター。
建物を外から見ると大きな球体があり、中の天球劇場では作品が鑑賞できます。


米谷健+ジュリア《クリスタルパレス:万原子力発電国産業製作品大博覧会》


左:山行きのバスに乗るわけではなく、こちらはテア・マキパーの《ノアのバス》。
右:バスの中には可愛い動物たちがいます。

■「日立駅舎」
1日目の最後に訪れた日立駅。妹島和世がデザインを監修し、2011年に建てられました。


行きの電車内から撮影した駅舎。ダニエル・ビュレン《回廊の中で:この場所のための4つの虹―KENPOKU ART 2016のために》


村上史明《風景幻灯機》を覗くメンバー。外はすっかり暗くなってしまいました。

[2日目(山側)]

■「鯨ヶ丘地域」
2日目の最初の見学場所は、鯨ヶ丘地域です。遠くからみると、鯨のように見えるということから名づけられたそうで、その名のとおり高台にあり街並みを一望できます。


特別に観せていただいた、飴屋法水《何処からの手紙》展示場所から見渡す景色。


梅津会館。原高史の《サインズ オブ メモリー2016:鯨ヶ丘のピンクの窓》の前で。

■「袋田の滝」
袋田の滝へと続くトンネルの中には、ジョン・ヘリョンの《連鎖的可能性―袋田の滝》があります。


このトンネルを抜けると…


日本三名瀑のひとつ、袋田の滝!

■「旧上岡小学校」
2001年に廃校になった小学校の校舎の中に作品が展示されています。


ドラマの撮影などでもよく使われているという古い校舎。


田中信太郎《沈黙の教会、あるいは沈黙の境界》
この黒い液体は墨汁です。ぽちゃんとこの作品の中に落ちてしまったお客さんがいたそう…。

■「旧浅川温泉」
旧浅川温泉にある、妹島和世の作品《Spring》。
アルミでできた足湯です。真ん中から常に温泉が湧き出ています。


南條館長も一緒に足湯に入りました。


ほんの一瞬だけ、キレイな虹が作品の真上に現れました。

■「旧家和楽青少年の家」
大自然の中にある、青少年の研修施設だった旧家和楽青少年の家。久慈川沿いにあり、
大きなシロサギを見かけました。


我を忘れて写真を撮ることに一生懸命になってしまった、ザドック・ベン=デイヴィッドの《ブラックフィールド》。


「鯨ヶ丘地域」に作品を展示している、作家の原高史さん(左)に偶然にお会いしました。

■「石沢地区空き店舗」
こちらが今回のツアーの最後の会場です。常陸大宮市にある石沢地区空き店舗。隣り合わせた、旧ゲームセンターと旧衣料品店に大きな作品が展示されています。


ミヒャエル・ボイトラー《ジョイ・センターの客》
地元で調達した素材を使用し、釘を使わずに作り上げた作品です。


大きな絵画。10m×7.6mもあります。虎ノ門ヒルズにも作品がある内海聖史の《moon satellite》。

本レポートで紹介した作品はごく一部です。とにかくたくさんの作品を観ていただきたく、1日目・2日目共にお昼ご飯の休憩のみの、欲張りコースで行程を組みました。2日間で14か所、39組のアーティストの作品を鑑賞しました!
来年もまた楽しいツアーを企画できたらと思案中です。皆様是非ご参加ください!

次回のMAMCイベントは2月14日(火)のMAMCナイト&アニュアルカクテルパーティーです。ご参加お待ちしています!

文:今村亜希子(森美術館マーケティンググループ)
 

<関連リンク>

MAMCメンバーシップ
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会期:2016年7月30日(土)-2017年1月9日(月)

カテゴリー:05.メンバーシップ
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