2015年7月30日(木)

〈速報〉森美術館 2016年度企画展スケジュールのご案内
「六本木クロッシング2016展」、「宇宙と芸術展」、「N・S・ハルシャ展」開催決定!

2016年度、森美術館は、3つの企画展を開催します。日本のアートシーンの動向を3年に一度、定点観測的に総覧する展覧会シリーズ「六本木クロッシング」の5回目となる「六本木クロッシング2016展」でスタートし、宇宙という壮大なテーマを掲げ、時代とジャンルを越え古今東西の宇宙観を展望する「宇宙と芸術展」そして、アジアの中堅作家を紹介する個展シリーズでは、国際的な活躍が目覚ましいインドのアーティスト、N・S・ハルシャを紹介します。

■2016年度企画展スケジュール
※展覧会タイトルは全て仮題となります。

「六本木クロッシング2016展」
2016年3月26日(土)-7月10日(日)


片山真理
《you're mine #001》
2014年
ラムダプリント
104.8×162 cm
個人蔵
Courtesy: TRAUMARIS


西原 尚
《ガラガラぶんぶん1号》
2014年
ギター、バンジョー、太鼓、シンバル、木材、金属、ベルト
50×170×120 cm
展示風景:「JAZZ de 盆踊り」野毛本町通、横浜、2014年

「六本木クロッシング」は、日本のアートシーンを総覧する定点観測的な展覧会シリーズとして、2004年以来、3年に一度の頻度で開催されています。森美術館のキュレーターに加え、ゲストキュレーターを招いてチームを作り、議論を重ねて約20組のアーティストを選出します。
前回の2013年からは、海外のキュレーターも加わって、さまざまな視点から日本のアートシーンを捉える試みを行っています。5回目となる本展では、日本、韓国、台湾のキュレーターが協働します。キュレーターとアーティストの多様な意見や表現方法を通して、日本の現代アートを幅広い視野から検証し、今日の社会とアートにおけるテーマについて考察します。

企画:荒木夏実(森美術館キュレーター)、キム・ソンジョン(Samusoディレクター、アジア文化コンプレックス アジア文化情報エージェンシーディレクター)、小澤慶介(キュレーター/特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト])、ウー・ダークン(台北国際芸術村ディレクター)

ウェブサイト:http://www.mori.art.museum/jp/exhibition/ropponngi_crossing_2016.html

「宇宙と芸術展」
2016年7月30日(土)-2017年1月9日(月・祝)


『竹取物語絵巻』(第三巻)
江戸時代前期
巻子
33×約1440 cm
所蔵:國學院大學図書館、東京

宇宙は、古来、人間にとって大いなる謎であり、また信仰と研究の対象でした。神話や宗教的な世界観の中で、しばしば宇宙は図式化されて描かれ、また宇宙を夢見た人間は、多くの物語を生み出してきました。日本最古の物語である『竹取物語』でも、月の住人であるかぐや姫と人間の交流が描かれていることは注目されるべきでしょう。
一方、宇宙空間への人類の進出は、今日すでに半世紀以上の歴史を持ち、その間に人類の月面着陸が達成されました。また地球軌道を周回する国際宇宙ステーションには6人の宇宙飛行士が常駐するまでになっています。そして近い将来には誰もが宇宙旅行に行ける時代になると期待されています。
本展では、「人は宇宙をどう見てきたか?」という問いに始まり、現代科学に基づく最新の宇宙像、さらには宇宙旅行や地球外生命の可能性などに眼を向け、宇宙観に関連する古今東西の名作、貴重な天文学資料、多次元的で不可思議な宇宙を表象する現代美術など多様な作品と資料を展示します。私たちがどこから来てどこへ向かうのか――本展を通して未来に向けての新たな宇宙観、人間観を提示することを試みます。

企画:南條史生(森美術館館長)、椿 玲子(森美術館アソシエイト・キュレーター)

ウェブサイト:http://www.mori.art.museum/jp/exhibition/universe_art.html

「N・S・ハルシャ展」
2017年2月4日(土)-6月11日(日)


《ここに演説をしに来て》(部分)
2008年
アクリル、キャンバス
182×182 cm(×6)


《道を示してくれる人々はそこに居た、ここに居る、そこに居るだろう》(部分)
2013年
アクリル、キャンバス
190×150 cm

N・S・ハルシャは1969年、南インドの古都マイソールに生まれ、現在も同地に在住し活動しています。インドの現代アートは近年の急速な経済成長や都市化とともに、国際的な注目を浴びていますが、N・S・ハルシャもこの10年間、世界各地で開催される国際展に数多く参加し、作品を発表しています。その一方で、南インドの伝統文化や自然環境、日々の生活における人間と動植物との関係など、自らを取り巻く「生」と真摯に向き合いながら、独自の立ち位置を確立してきた作家でもあります。
N・S・ハルシャの初のミッドキャリア・レトロスペクティブ(*)となる本展では、1995年以降の主要な作品を網羅しながら、現実世界の不条理、具象と抽象、イメージの繰返しなど、彼の実践に一貫して見られる関心を掘り下げます。森美術館では、これまでも中国、アフリカ、インド、中東など成長目覚ましい地域の現代アートの現状を紹介しつつ、アジアの中堅作家の個展を開催していますが、本展はこの個展シリーズのひとつに位置づけられます。

(*)ミッドキャリア・レトロスペクティブ:アーティストのキャリアの晩年や没後に開催されるイメージが強い「回顧展」に対して、一定のスタイルを確立した中堅アーティストの数十年間の仕事を網羅的に見せる展覧会。

企画:片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
ウェブサイト:http://www.mori.art.museum/jp/exhibition/n_s_harsha.html
 

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